歯科医院の感染予防と口腔ケアの意外な効果
投稿日:2021年3月23日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちわ
わたなべ歯科医院 院長の渡辺です。
先日、2回目の緊急事態宣言が解除されましたが、まだ新型コロナの感染状況は予断を許さない状況です。
皆様の中には「お口のケアをしたいけど、新型コロナ感染が心配」という方も、いらっしゃるかもしれません。
そのお気持ち、良く分かります。
でも、ご安心ください。
実は、歯科医院は感染予防のプロフェッショナルなんです。
2021年1月、大阪府知事が「利用者がマスクを出来ない環境であるにもかかわらず、大阪にある5500の歯科医院ではクラスター発生がゼロ。感染対策の賜物と思うが何かある」という発言をされました。
コロナウイルスは口の中、唾液に多く含まれている。なのでマスクが有効だし、飲食の場も指摘される。一方で利用者側がマスクができない環境に歯科医院がある。大阪には5500もの歯科医院があるが、クラスター発生はゼロ。感染対策の賜物と思うが、何かある。何か?専門家には、是非分析してもらいたい。 https://t.co/jAhxd30O4d
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) January 19, 2021
この発言で、新型コロナ感染予防に関して、歯科医院は一躍注目を浴びるようになりました。
ですが、そもそも歯科医院で新型コロナに感染することはまず考えられないのです。
理由は幾つかあります。
まず、歯科医院の場合は発熱や咳などで体調が悪い時は患者様自らが受診を控えられることが多いことです。
ここが、体調が悪い時に受診する一般の病院とは大きく異なる点です。
たとえ来院されたとしても受付時、治療前と検温や体調確認を行い症状のある方はご帰宅いただいております。
仮に無症状感染者の方が患者様の中にいらっしゃったとしても、患者様からスタッフへと感染することのないよう感染予防策を講じています。
関連ページ:新型コロナウイルスへの感染対策について
新型コロナ以前から徹底した感染対策
歯科医師、歯科衛生士は新型コロナ感染症に関わらず、常に治療時の唾液や血液の飛沫から感染し得るHIVや肝炎などの感染リスクにさらされています。
そのため、感染症から身を守るためのマスク、グローブ、ゴーグル(フェイスシールド)を着用するなど徹底的な感染対策を行っています。
これらは正に新型コロナの感染予防策として、現在では一般の方々にも認知が広がりましたが、歯科医院では、以前からこれが「当たり前」でした。
普段から感染予防に努めている感染予防のプロともいえるのが歯科医院なのです。
当然、患者様間での感染やスタッフ間での感染にも対策を行っております。
患者様ごとに治療器具は清掃、殺菌をしており、ディスポーザブル(使い捨て)な用具を使用、空気清浄器もウイルスのサイズである0.01μmの物質も捕える高性能なものを常時稼働させております。
スタッフ間でもマスク着用での会話、3密を避ける、手指消毒などを徹底して行っております。
治療器具専用の滅菌器
使い捨て用品の使用
高性能空気清浄器
エアゾルは大丈夫?
歯科治療中の飛沫が心配という方もいらっしゃるかもしれません。
この点でも当院では出来うる限りの対策を行っております。
まず、当院では治療機器から出る全て水は、殆どの細菌やウイルスを瞬時に殺菌できる電解中性殺菌水という機能水を用いておりますし、治療時には口内でバキューム吸引を行っております。
患者様の唾液や血液を含んだ状態でエアゾル化することはほぼありません。
たとえ、ごく一部がエアゾル化したとしても、咳やくしゃみで浮遊するケースに比べるとごく少量。
当院では、そのごく少量のエアゾルも口腔外バキュームで吸引し、更に空気清浄機で捕えるという二重三重の対策をしております。
また、受付・待合室でも飛沫防止パーティションの設置と、診療スペースと同等の空気清浄器の稼働(合計3台を稼働しています)を行っております。
口腔外バキューム
高性能空気清浄器
飛沫防止パーティション
日本歯科医師会は2020年8月に「新たな感染症を踏まえた歯科診療の方針」内の「歯科医療機関における感染予防策」において感染予防の徹底を呼び掛けています。
具合的には治療中に飛び交う飛沫を最小限にすること、医療用グローブの患者様ごとの交換、歯科用ユニットや周辺機器、トイレなどの消毒、治療前後のうがいなどです。
こうした更なる予防策の徹底により、歯科医院内での新型コロナ感染を予防できております。
「口腔ケア」自体が新型コロナ感染予防に効果あり!?
ここまでで、歯科の治療やケアで新型コロナ感染のリスクは高くないということが理解いただけたかと思います。
では、いま何故このようなことを改めてお伝えしようと思ったのか?
それは、実は歯科の治療や口腔ケアが、新型コロナ感染のリスクを低くすると注目されつつあるからです。
既に、歯みがきや口腔ケアがインフルエンザなどの感染リスクを下げることや、歯周病の進行がウイルス感染を進めてしまうことが近年の研究で判明しています。
こうしたことから、口腔ケアを行うことが感染症予防につながること、そして新型コロナの感染予防にも少なからず効果があることが推測されます。
お口の健康維持のためだけでなく、感染予防のためにも、ぜひ歯科診療をご利用ください。
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